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「いつかはクラウン......その2」
第1種目「小回り(不整地)」

思い起こせば昨シーズンの技術選予選会で不整地が滑られない自分がいて。

「深いコブは滑られないから、浅いところを滑る」なんて作戦と言うよりも消去法的に滑るラインを決めていて。もちろんそんな状況だからナイスな点数がでるハズもなく、これじゃダメだ、と大会の翌週からとにかくコブに慣れようと、シーズン後半はコブ三昧の日々を送った。

そんな練習の成果なのか、とりあえずどんなコブでも滑られるようになった(ような気がする)ので、今年の大会の時には、点数が出そうなラインを選んで滑られるようになった。もちろん、良い点は出なかったけれど、私としては満足感があったり。

そんな私なので、不整地ショートは、やや気合いが............いや、かなり気合いが入る。

前日に決めたラインの状況があまり良くなくて、前に滑る受験生がそのラインを通ってくれているようであれば、私もそのラインにしようかと思っていたが、誰もそのラインに入らず。

うーん、と悩んで、ここはヒトツ正攻法でジャッジの真正面のラインを滑ろうと決めた。しかしそのラインは私的に昨日から一本も滑っていないので、見えない斜面にどんな感じでコブが育っているか分からない。

しょうがないので前に滑っている人の動きを見てなんとなく想像してみると、リズムが変わるところが2カ所くらいあるらしい。

滑り方はともかく積極性をアピールしようとスタートの準備を始めて、前の受験生が滑り終わって、スタートの合図とともに私が滑りだそうとすると、他の受験生からが叫び始めるものだから、ああみんな応援してくれているなんて嬉しいなぁ、と思ったのが0.1秒。

けれど叫び声の中で「順番が違―う」という声が混じっていて、

あああああああ、

とコブに入る前に止まる私。恥ずかしいよりも順番を抜かそうとしてしまった受験生に申し訳ないですと謝って、そして集中力が切れている私が立ちつくす。

幸いジャッジには一瞬の霧で見えなかったらしいので問題はなかった(と思う)。

んで、本当の私の順番になってスタートをする。

振り返ってみれば緊張の糸が切れてくれたおかげで、リラックスして滑ることができて良かったきがするけれど、直線的なイメージで滑った割には新雪が被ったコブはスピードがでずに、ちょっとスピードが足らなかったなぁ、と反省。

それでも、昔に比べたらよく頑張ったぞ>私、ってな感じで次の種目のゲレンデに移動する。

第2種目「大回り(整地)」

整地ロングは今年のイメージとしては良いし、技術選予選会の結果を見ても比較的点数がもらえている種目。

昔から「ロングとショートとどっちが得意?」と聞かれれば、それはやっぱりロングターンと答えるわけで、事前講習でも講師の方に「ロングよりもショートの方が苦手?」なんて一発で見破られたし。

まあとにかくある程度自信をもって滑ることができるハズであったが、スタート位置付近で順番がくるのを待っているとなんだか緊張してきて、コリャマズイ、と思いつつも自分ではどうすることも出来ず。

そんな時に、師匠と崇める先生がリフトの上から「緊張しってかー」と声を掛けてくれて、「超緊張してます」と大声で答えると、なぜだか少しづつ緊張がほぐれてくる。

自分の順番が近くなってスタート位置に着くと、師匠がご自分主催のキャンプだというの、スタート近くのセパレートのネットの外に来てくれ、「とにかく谷回りだけを意識しろっ」とのコメントをもらってスタートする。

緊張からか私は聞こえなかったけれど、師匠やそのキャンプに参加されている方が(何人かは知り合いなのですが)大声で応援してくれていたと聞いて、ありがたかった。

滑りの方はといえば、ほぼイメージ通りに滑ることができたのですが。細かいミスとしては、終盤でちょっとスタンスが広くなってしまったのがココロ残り。

でもまあ悪くないね、と気分良く次の種目に向かう。

第3種目「小回り(整地)」

ともかく私のショートは下手だ。それでも昨年後半から今年のシーズンインに掛けて、かなりのショートの練習をしたので、まあなんとか滑られるようにはなったかなぁ、といったところ。

この種目の斜度は中斜面に毛が生えた程度なので気分的には楽なのだけれど、私が滑る頃には堅いバーンがコンニチハしているのが予想されたので、中斜面の割にはキチンと滑らないと暴走っぽくなってしまう可能性もあった。

とりあえず慎重に回転弧を意識しつつスピードを出していこうと、軽く漕いでターンに入り、ちょっと板が抜けてしまったターンがヒトツだけあったけれど、うまく誤魔化せた(つもり)なので私としては良い感じ。

だったが。私の鬼コーチがゲレンデ下で見ていたのですが近づいていくとヒトコト

「なんでもっと漕がないのだキミは」

と不満そうな顔。いやいや、あのバーンは案外スピードがでるので、最初からスピードのレンジを上げすぎると難しいのですよ、と言い返すと「ふーん、知らないよ結果は」と(屍)

第4種目「中回り(整地)」

あまりこの種目に対するイメージができあがっていない私。そもそもクラウン受験用に練習なんてしたことの無かった私は、ミドルターンなんて練習したことは皆無。

なので、ショート用の板を使ってロングターンをイメージして滑れば、まあなんとかなるかなぁ、とややテキトーな感じ。

斜度の設定が緩くちょっとスピードが出にくいので、気合いを入れて漕いでスタートしてロングのイメージで降りてみるけれど。思ったより斜面が柔らかくて、圧を掛けすぎると板が潜ってしまうことに気づいたのが遅くて、ややスピード感に欠けるかなぁ、と思って鬼コーチの近づいてみると、やっぱり首を傾げている。

............まあ、いいさ。

すべての種目でパーフェクトなんて私の実力からすればあり得ないし、と本当はそれではダメだと思うけれど、自分の感覚で合否が決まる訳ではないし、とりあえずジャッジが良い点を付けてくれることを期待して次の種目に。

第5種目「大回り(不整地)」

ロングとショートを滑ったバーンで行われたこの種目。

ミドルのスタート位置に移動するときに感触を試してみると、バーンの左右が荒れて、センター付近はショートの種目で夜に降った柔らかい雪が無くなってやや固めの斜面が顔を出している。

そんなに難易度は高くないので自分の中ではこの種目は確実に滑っておきたい。

前に滑った知り合いにコンディションを聞くとそれほど荒れていないという話であったので、整地ロングと同様のイメージでスピードのレンジを上げて行くことにする。

漕いで漕いでスタートして、大きな弧のイメージで左右のもっさりとした雪に突っ込んでみたら案外荒れていて、ああ結構荒れてしまったなぁと思いながら、演技終盤のギャップもなんとかこなして、自分なりに満足感のある元気の良い滑りができた。

まあ加点(合格ラインの80点を超える点数)があるとすれば、この種目かなぁと思いながら。

第6種目「総合滑降」

受験者が多かったこともあり待ち時間もかなりあって、5種目も滑るとかなりの時間が経過して、ちょっと集中力がとぎれつつあったけれど。

思い返してみると前にクラウンを受験したときよりも精神的な余裕はかなりあった。その余裕の源が「あきらめ」だったのか「自信」だったのか、よく分からないけれど、とにかく最終種目を前にして、なんだかよくやったなぁ、という気分になってきた。

ゲレンデに流れる曲は「世界にひーとーつだけの〜♪」なんて曲で、あーなんとなくジーンとくるなぁ、なんてまだ終わってもいないのに私。

とにかく総合滑降も元気よく、メリハリの効いた滑りをしようと、思っていると、自分のスタート順となる。

えいっ、と気合いを入れてスタートして、とにかく元気よく積極的に滑る。

ゴールして、ああ終わったなぁ、と自分にお疲れ様と言いつつ、まあ後は神のみぞ知るってな感じだな。

−−−

検定も終わったのでお昼ご飯でも食べようと、ゲレンデの食堂に入って食べようとしたのだけれど食欲が無い。

今になって、検定が終わったのにもかかわらず検定の結果が気になって緊張しているらしく、ご飯が喉を通らない。

まあ2時間もすれば結果は発表されるので無理して食べる必要はないか、とボンヤリとする。鬼コーチと「ミドルが一番ダメだね。一番良かったのは不整地ロングかな。不整地ショートは自分なりに頑張ったけどどうだろう。ああ受かってて欲しい」と話す私に、鬼コーチは「まっギリギリじゃない」なんていう。

ああどうなるだろうと1時間ほど休憩して、結果発表される場所に移動する。

予定よりも早めに始めるらしく、私達がその場所に到着したときには既に大勢の受験生が集まっている。

超ドキドキとした私。とにかく合格していて、と念の送ってみるけれど、検定は終わっているのだから意味不明な動きではある。検定員の講評が終了して結果発表が始まる。

テクニカルがまず先に発表されて50人強の受験者で合格者が5名。なかなか厳しい結果だなぁ、と思いつつクラウンの結果発表の順番になる。

合格者無し............なんて不吉なことを思いつつ耳を澄ませると

「クラウンの合格者............ゼッケン............」

と言ったので、誰かは受かっているんだと思った次の瞬間、私のゼッケンが読み上げられる。


「うっしゃぁぁぁぁ」



と恥ずかしげもなく叫びガッツポーズ。最高に嬉しかった瞬間だった。

やったよ、やったよ、やったよ、とーさん、かーさんやったよ私は(をい)

合格証をもらって各人に種目別の成績表が配布される。


小回り
(整地)81
(不整地)80

大回り
(整地)82
(不整地)80

中回り
(整地)81

総合滑降
(総合斜面)82

合計 486点

という結果で、合格ラインの480点からすると6点オーバー。合格も嬉しかったけれど2番の人に5点差がついていたこの得点も嬉しかった。

結構自信のあった不整地ロングが80で、ちょっとアレかなと思ったミドルが81というのが、自分の感覚なんてまったく信用できないものだなぁ、と気が付いて。

自宅に帰ってから、ビデオを見ると確かに不整地ロングは感覚よりも滑りは良くない。

まあとにかく、おめでとう>私

−−−

そんな結果となりました。スキーを始めてから何年経ったのか分からないけれど、2級を受けてからは10数年。

絶対にたどり着かないと思っていたけれど、運動音痴な私なのだけれど、スキーが好きということだけで練習していたら、いつの間にかクラウンに合格することができた。

もちろん、まだまだ技術的に未熟な部分が多いので本当のクラウンと呼ばれるにはまだ早いかもしれないけれど。

とりあえず、今回のシチュエーションでは合格点をもらえたわけだから、自分をこの日だけは無条件で誉めてあげたい。

これまでお世話になった人に感謝をする気持ちでいっぱい。

一緒に滑ってくれるスキー仲間から休みを認めてくれる職場の同僚まで感謝。

そして私の鬼コーチに感謝。

そしてこれから............。

私のスキーの目標のヒトツはクラウン取得なのですが、これが最終目標という訳ではない。

最終目標といえば「どこでも、どんな状況でも、自分が思うように滑られる」なので、この目標に向かって今後も頑張ろうと思う。

そして、また機会があったら別の場所でクラウンを受けよう。チカラ試しは大事なことだと思うし。

おしまい。

−−−

追加:

合格発表後、狂ったように喜んでいた私であるが、ふと「これは夢じゃなかろうか」と不安になった。

鬼コーチに、これって夢じゃないですよね、と聞くと、

「バレた?」

などと意味不明な言葉を返されたので、とりあえず夢どうかを確かめる古典的な方法である、ほっぺたをツネると痛みを感じたので、おお、どうやらこれは夢ではなさそうだと思った。

しかしスキー場から帰って来て、折角だから祝杯でも挙げようということになって、近所の美味しい焼き肉屋さんで、シアワセな一時を過ごして自宅に帰ったのですが。

どうにも寝るのが怖くて(をい)

小心者の私なので、検定に落ちる夢とか見たりするんだろうなぁ、とか、そもそも起きたら合格証が無くなっていたりとか。

まあ、それくらいの嬉しさでした。
| comments(0) | trackbacks(0) | by ともぞう とか めっく とか
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